その5


ハンドル名:2nomaruさんの投稿




1、国内試験に向けて

8月上旬、大学の試験が終わり、やっと夏休み。とはいえお盆休みまでは集中講義に
出なくてはならず、しばらくの間勉強に使えるのは平日の夜間と土休日のみです。
私が最初にやったことは、試験に何が出るのかを大まかに把握することでした。私が
使うことにした問題集『2002旅行主任者試験〔一般〕テーマ別問題集』(トラベル
ジャーナル)の目次を参照し、学習すべき項目の一覧表を作りました。同時に試験日ま
でのカレンダーを作り、あと何日使えるのかを把握しました。この2つの表を見ながら
じっくりと作戦を練ります。いきなり勉強を始めないのがポイント。
私の一覧表に挙げられた項目は、科目別に@業法10、A約款13、B国内実務17、
C海外実務33。このうちC以外のほぼ全てが国内試験にも必要でした。一方カレン
ダーの残り日数は国内試験まで約40日、一般試験まで約75日、ついでに私の夏休
みは9月末まで。大まかに自分の置かれた状況を確認した私は、国内試験までは国
内試験対策だけに集中して、国内試験が終わった後で一般に必要な項目を補充する
ことにしました。

ここから勉強開始。まずは今まで見たことも聞いたこともなかった、旅行業法と約款か
ら始めます。国内実務は後回し。私は国内旅行が好きで、国内実務で扱われる項目
はある程度予備知識があると思っていたからです。
国内試験用に選んだテキスト『国内旅行主任者試験合格ハンドブック〔2002年版〕』
(中央書院)にそってインプットし、項目が終わるごとにテーマ別問題集でアウトプット、
この繰り返しです。集中講義があったこともあり、1日に勉強する量はそう多くなかった
です。


2、一気にインプット作業

8月中旬から下旬にかけては、大学の用事もなく、本格的に学習できました。業法と約
款は、相変わらずインプットとアウトプットの同時進行が続きます。そして国内実務の勉
強を開始。まずは運賃・料金計算のうち、全然知らない貸切バスとよく知らないフェ
リー、宿泊、国内航空から取り掛かります。国内ハンドブックを使ってインプットします
が、テーマ別問題集でのアウトプットは省略しました。これらは慣れればそれほど難しく
ないですが、払戻しや変更、違約料等が面倒でした。

次に地理のインプット。テキストには覚えるべき項目が語句として列記してあるだけ。こ
のまま丸暗記してもよさそうだけど、それではまるで国語の単語テストのようで、地理
の勉強にならないと思いました。
そこでまず実家にあったロードマップをもらってきて、国内ハンドブックにある項目一つ
一つを見つけ出し、チェックを入れました。とりあえず地図上の位置ぐらい知っておかな
いと何も始まらないと思ったからです。地図のチェックが終わったら、次はガイドブック
で調べる作業。大学の図書館にガイドブックが備えてあったために実現したものです。
北海道から順に中国地方まで、国内ハンドブックにある項目を中心に調べ、ノートを
作っていきます。各項目の特徴を1行程度にまとめ、書きつけるという手間のかかる作
業でしたが、よく頭に入ります。そもそもこの資格は、自分の趣味に役立てるつもりだっ
た私。観光地理は旅行に出る際に直接役立つ情報ですから、気合が入りました。1日
中図書館にこもって作業をすること、約1週間。できたノートは全部で40ページになり
ました。なお、私が元々詳しかった四国・九州・沖縄については、テキストを読むだけに
とどめました。

JR運賃・料金計算は、今まで知らなかった団体運賃・料金に関することのインプットを
中心に、軽くやりました。もともと私は、列車に乗る際には時刻表で運賃計算しながら、
どうすればお得な旅行が出来るか考える習慣があったため、大まかな確認と細かい数
字等の暗記のみですみました。
しかしいざ十円単位でピッタリ間違わずに答えを出すとなると、結構難しいものです。
最初の頃は、運賃計算キロを使って有効期間を出したり、自由席利用なのに閑散期で
200円引きしたり、グリーン車利用の特急料金を乗継割引したあとに510円引いたり、と
いったミスをよくやっていました。

JRの規則はややこしいですが、「この規則を知っていることで何か得をすることはない
かな、逆に知らなくて損をすることはないかな」と考えてみてはいかがでしょうか。「自
分にはこんなの関係ない」と思いながら学習してもつまらないですから。
例えば乗継割引なら、「新幹線と在来線とを乗り継ぐようなときは、それぞれの切符を
別々に買ったら損をするな」と考える。指定券の払戻し手数料なら「2日前までにキャン
セルしないと、手数料が一気に高くなって損だな」と考え、さらに「ということは、2日前
の日というのはキャンセルが出やすくなるから、満席で指定券が取れなかった時には
ねらい目だな」と考えてみる。
このように具体的に、一歩踏み込んで考えてみたほうがしっかり頭に入ると思います。
ただ、自分で思いつくのはなかなか難しいので、インターネットや参考書で調べたり、
鉄道を使った旅行に詳しい人に聞いたりして、ヒントを仕入れる必要があるかもしれま
せん。

結局インプット作業にかける手間の配分は、全体を10とすると業法・約款が5、地理が
3、運賃・料金が2といった感じでした。


3、実戦演習でアウトプット

本来ならインプットした内容を、テーマ別問題集でしっかり練習したいところですが、残
念ながら業法・約款以外はそこまで手がまわらず、過去問を利用した実戦演習にすぐ
に入りました。

私はインプット作業、特に地理は楽しくやるように心がけていました。わざわざガイド
ブックで調べたのも、なるべく旅行に出る気分で楽しくやるためです。楽しむことで学習
がはかどるし、「ここはいつか行ってみたいなあ」「とてもきれいな景色だなあ」などと
いった感情をもつことで、記憶に残りやすくなります。

しかしこの実戦演習はどこまで真剣になれるかが勝負。全神経を集中し、持てる知識
を総動員して全力でやらなければ効果がありません。
実戦演習で大事なのは、限りなく本番に近い状況を作り出すことです。筆記用具や時
計など、全ての持ち物は本番にもっていくものを用意。演習開始時刻は本番の試験と
同じ、午後1時。図書館の一角、長机とパイプいすが並ぶ場所に陣取って、できる限り
自分にプレッシャーをかけながらやります。

問題は、国内ハンドブックに掲載されている過去問を利用。1回目の演習では、試験時
間は本番より30分短い1時間半、目標点は9割に設定。演習は5回行いましたが、最
後の演習では試験時間1時間に設定しました。業法15分、約款15分、実務20分、予
備10分です。自分にプレッシャーをかけ、心の余裕が一切生じないようにするため、
時間は極限まで縮めました。

問題を解く際には、まず最後までページ数を確認すると共に問題をざっと見渡し、難易
度を判断して解く順番を決めます。業法・約款は素直に初めからやり、実務はまず地
理を終えてから計算問題をやることが多かったです。全ての解答を終えたらすぐに答
えあわせをし、弱点を確認した上で復習します。こうして9月上旬は実戦演習に明け暮
れ、いよいよ国内試験です。


4、国内試験

9月8日、国内試験を受験。今までずっと1人で勉強し、このWebサイトの存在すら知
らなかった私は、このとき他の受験生とはじめて顔をあわせたのでした。私の教室は
学生ばかり。皆一生懸命最後の確認をしています。W杯のスタジアムの名前を必死に
確認する声が聞こえて、私は少しあせりました。W杯のことなどすっかり忘れ、全然考
えてなかったのです。こういうところが独学のデメリットといえるでしょう。
午後1時、試験開始。本番独特の緊張感で、予想を越えるプレッシャーがかかり、息が
詰まりそうでした。1時間半使って全ての問題を解き、途中退出して、一本早い電車で
帰りました。
思ったより難しい問題でした。さいわいカンが結構あたっていて、合格点はクリアできま
したが、あまり納得のいかない出来でした。


5、海外実務開始

国内試験の次の週はまた集中講義。国内が終わって気が緩んだこともあり、しばらく試
験勉強はおやすみ。9月15日ごろから再開です。
最初に、国内試験との差を確認するため、いきなり実戦演習。『2002旅行主任者試
験〔一般〕 過去問題と解答』(トラベルジャーナル)を使い、2001年の過去問を解い
てみました。
業法・約款は、テーマ別問題集で練習していたせいかよくできました。
驚いたのは国内実務の問題。出題傾向が国内試験とはかなり違うではありませんか。
それでも地理の丁寧なインプットとJRの知識のおかげでそれなりの点数。
問題は海外実務。全然分からないし時間も足りない。これは1からのスタートになりそ
うだなと思いました。

まずは法令関係を片付けようと思い、渡航手続代行契約と国際航空運送約款、それ
に出入国関連をやりました。『2002旅行主任者試験〔一般〕 短期完成』(トラベル
ジャーナル)でインプットし、テーマ別問題集でアウトプット、その繰り返しです。しかし
「短期完成」はどうも私には合ってなかったようで、いまひとつ理解が進まず勉強がは
かどりません。国内試験と同じく中央書院のテキストを使ったほうが私にはよかったか
な、と思いました。独学はテキストが命。どれが良くてどれが悪いかは人それぞれだと
思いますが、自分に合ったものをじっくり探しましょう。

法令関係のインプットを一通りやったところで、国際航空運賃の学習に入りました。ま
ず「短期完成」を一通りみて、登場するアルファベットの略語全てについて、何を略して
いるのかチェックしました。例えば「NOJ」は「Normal Fare Open Jaw Trip 」だとか。略
語でなく日本語で表すものもチェックしました。例えば「往路」は「Outbound」。テキスト
の解説にはこれらの用語がたくさん使われていて、実務経験はもちろん渡航経験すら
ない私には何がなんだかさっぱりわからなかったのです。この作業では書店で他のテ
キストにあたったり、インターネットで調べたりもしました。
次に、「短期完成」と「テーマ別問題集」を併用し、少しずつ問題を解きながら計算に慣
れていきました。なぜそうなるのかわからない部分で、「短期完成」や「テーマ別問題
集」を見てもわからない部分はインターネットで調べました。
このとき、JR運賃のところで述べたように、「この規則を知っていることで何か得をする
ことはないかな、逆に知らなくて損をすることはないかな」ということをなるべく意識しま
した。私は最初、日本から外国へ往復するとき、復路はその国発でなく日本発の運賃
で計算するのがどうしてかわかりませんでした。理由がわかれば実に簡単で初歩的な
ことだったのですが・・・。
問題をこなすうちに手順が頭に入り、きちんと計算できるようになりました。最初は難し
そうな気がしていましたが、結局は私にとって海外実務での最大の得点源になりまし
た。

こうして1週間がすぎ、次はまた集中講義の1週間。この間に語学対策としての専門用
語のチェック、資料解読問題に必要な知識のチェック、空港コードや航空会社コードの
チェックをやりました。


6、海外地理

これまで私は海外旅行には興味がなかったため、海外地理の知識がほとんどありませ
ん。しかし地理の問題は、知っていなければ答えようがない!もうとにかくやるしかあり
ませんでした。
勉強方法は国内のときと全く同じ。「短期完成」に載っている項目を図書館のガイドブッ
クで調べ、ノートにまとめるというもの。しかし国内に比べ量が多いため、よりいっそう
の効率化を図る必要がありました。そこで日本人がよく行きそうなところ、有名な観光
資源が多そうなところ、そして何より私が少しでも興味があるところを優先し、優先順
位が低いものは思い切ってテキストの確認のみで済ませることにしました。

結局アメリカから取りかかり、西ヨーロッパ、エジプト、インド、東南アジア、中国、オセ
アニア、カナダ、ロシアと東欧の順にノートまとめ。他は省略です。図書館にあったガイ
ドブックが個人旅行向けでクセのあるものだったため、テキストにある項目が載ってい
なかったりして苦労しました。国内のときよりさらに手間がかかり、図書館にこもること2
週間、ルーズリーフで40枚のノートが出来ました。さらに「テーマ別問題集」での補強も
しました。さすがに苦労してガイドブックを調べた国は頭に入っており、正答率が一気
に上がりました。そうでない国はあまり得点できませんが、そもそも出題されることが少
ないはずなので良しとしました。

ここまでの海外実務にかけた手間の配分は、全体を10とすれば航空運賃が3、地理が
4、残りの語学と出入国関連、旅行業務実務がそれぞれ1ずつといった具合でした。


7、実戦演習

9月下旬から、昼間の時間帯を利用して実戦演習を始めました。要領は国内試験のと
きと同じです。ただ、海外旅行実務の語学と資料解読は、使える時間がどれだけある
かによって難易度が全く違ってくるものです。この点を考え、時間設定はより厳しくしま
す。また時間を効率よく使うために、問題を解く順番の決定や問題の取捨選択がとても
重要になります。
1回目の実戦演習では、試験時間を業法と約款は本番より20分少ない1時間、午後
の実務は30分少ない1時間半に設定。試験開始時刻は本番どおりです。3回目から
はよりスピードを重視して、10時半から業法・約款をやり、11時10分ごろよりそのまま実
務へ突入、12時半に終了としました。最後、本番の前日の実戦演習では10時半開始
で、12時までに全科目終わらせることに挑戦しましたが、さすがにこれは無理でした。

ところで、本番の5日前くらいに熱を出してしまいました。海外地理のあたりから集中的
な勉強が続いたため、疲れが出たようです。勉強したいことはたくさんあったのです
が、我慢して1日寝込みました。そしたらたちまち回復、その日を境に問題を解くスピー
ドが一気に上がったのです。
疲れがたまることで、知らず知らずのうちに学習効率が落ちていたのでした。あまり無
理をしすぎず、適度に休むことも大事です。


8、いよいよ本番

10月14日、一般試験です。会場は国内のときと同じですが、雰囲気が全然違います。
学生の姿は少なく、漂う緊張感は国内の比ではありませんでした。
教室が開くまでしばらく外で待たされましたが、皆さんこの間に一生懸命確認をしてい
ました。私はといえば、そんな他人の様子をじっと観察していました。「問題集はどんな
のを使ってるんだろう」などと思いながら。わざと余裕たっぷりに振る舞うことで、緊張し
ないようにしたつもりでした。
着席すると、まわりには結構空席がありました。10時半、試験開始。
業法を終え約款に移った頃でした。すぐ後ろの空席に、人がやってきたのです。きっと
大慌てで来たのでしょう、息が切れていました。
試験監督が「大丈夫、落ち着いてください」と応対しますが、その人は「手が震えて字
がかけない」と慌てまくってました。そんな生々しいスリル満点のやりとりがすぐ後ろか
ら聞こえてきて、それまで落ち着いていた私もさすがに動揺しかけました。おまけに約
款では、あいまいにしていたところを見事につかれ、失点しました。本番は何が起こる
かわからないものです。
実務では時間不足に陥ることはなかったのですが、せっかくがんばった地理でカンに
頼らざるをえない問題がいくつかありました。さらに出入国関連の学習にあまり時間を
かけていなかったので、かなり失点してしまいました。この科目はそれほど項目が多す
ぎるわけではないので、我慢して丸暗記しておくべきだったなと思いました。

何はともあれ、合格点は確保できました。11月下旬、合格証を手にすることが出来ま
した。


9、最後に

これまでの話でも述べましたが、私の考える勉強のポイントをここでもう一度まとめて
おきます。

@インプットはなるべく楽しむが、実戦演習は真剣にやる。

実務を中心として、かなりたくさんのことをインプットしなければなりません。楽しまない
ととてもやっていられないと思います。テキストや問題集以外のものでも上手に活用し
て、楽しくやれるようにありとあらゆる工夫をしましょう。
逆に実戦演習は真剣に、緊張感を持ってやります。このメリハリが大切です。少しでも
本番に近い状況を作れるよう、ありとあらゆる工夫をしましょう。


A実戦演習では、本番の8割以下の時間で、必要な点の2割増の点を取れるようにす
る。

本番には必ず予想外の事態が起きます。そのための保険をかけておきましょう。実戦
演習での時間設定を本番より2割は短くし、それでも必要な点の120%の点が取れる
ようにしておけば、本番で何かが起こったときに余裕を持って対処できます。
極端な例ですが、「合格点は60点。実戦演習で本番と同じ時間を使って過去問をやっ
て、60点取れるから大丈夫だ。」というのは危険すぎます。本番で、いつもよりほんの少
し緊張したせいで59点を取ってしまったら、即不合格です。


B体調管理に十分気をつけ、学習効率が悪くならないようにする。

勉強時間の長さを確保することだけにとらわれてはいけません。時間は短くても集中で
きれば、たくさんのことができます。


この試験は、短期間で一気に勉強して合格することも不可能ではないです。
短期学習には、覚えたことを忘れてしまう間もなく試験がやってくるというメリットがあり
ます。人間の記憶は時間と共に薄れるもの。あまりに早くから覚え始めても、試験まで
忘れないように記憶を維持するのは大変です。
しかし、しっかり時間をかけて得た知識のほうが身に付くのは確かです。単に主任者の
肩書きを得るだけでなく、試験勉強で得られる知識を仕事や趣味に生かそうと思え
ば、早くからじっくり勉強したほうがいいです。私は試験勉強を自分の趣味に役立てる
ことを目指して、実務の勉強(特に地理)は頑張ったのですが、短期間で一気にやった
がために試験終了後一気に忘れてしまいました。これでは意味がありません。この資
格に気づくのがあと1ヶ月早ければ、かなり違ったでしょうが・・・。

これから試験を目指される皆さんは、この資格を自分の生活にどう生かしていくかを考
えたうえで、自分に合ったペースで勉強してください。私のようにタイミングが悪いと、
試験勉強に3ヶ月しかかけられない!ということもあるでしょう。それでもぜひ挑戦して
みてください。願書の締め切りに間に合いさえすれば、チャンスはあります。

最後まであきらめないで、プラス思考で頑張りましょう。


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